双極性障害への抗うつ薬処方、是非は?

 双極性障害の治療では病相の反復を防ぐため、躁状態とうつ状態の転換の抑制を意識する必要がある。しかし、単極性うつ病と診断されている、あるいはうつ状態が遷延するといった理由から抗うつ薬を使用し、経過が安定しないケースも少なくない。労働者健康安全機構関西労災病院(兵庫県)精神科部長の菅原裕子氏は、第18回日本うつ病学会/第21回日本認知療法・認知行動療法学会(7月8~10日、ウェブ併催)で、そうした経過が安定しない双極性障害患者に対する薬物療法について見解を述べた。なお、同学会気分障害の治療ガイドライン作成委員で順天堂大学精神医学講座主任教授の加藤忠史氏にコメントしてもらった。