名大、新機序のがん抗体医薬を開発

 名古屋大学大学院消化器外科学教授の小寺泰弘氏らの研究グループは、転移および非転移の胃がん患者を対象に遺伝子発現解析を行った結果、腹膜播種、血行性転移、リンパ行性転移を来した患者群ではアセチルコリン受容体サブユニットであるcholinergic receptor nicotinic beta 2 subunit (CHRNB2)が異常に高発現していることを発見。ゲノム編集技術によりCHRNB2を喪失させると、胃がん細胞の転移能が低下することを明らかにした。また、CHRNB2を特異的に阻害するモノクローナル抗体を胃がん細胞を移植したマウスに投与したところ、がんの進行が抑制できたという。詳細は、Oncogene(2021年7月30日オンライン版)に掲載された。