糖尿病患者の下肢切断率は非糖尿病者の10倍

 奈良県立医科大学糖尿病・内分泌内科学の紙谷史夏氏らは、日本の全人口を網羅するレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の第三者提供データを用いて、糖尿病の有無で下肢切断の発生率を比較、検討。その結果、糖尿病患者では非糖尿病者と比べ、大切断の発生率が約10倍、小切断発生率は15倍であることが判明。また2013~18年の5年間に大切断は低下傾向を示した一方で、小切断は変化がなかったと、BMJ Open2021; 11: e048436)に発表した。同氏は糖尿病患者で下肢切断リスクが高かった理由として、「フットケアを受ける糖尿病患者が限られているという事実と関連している可能性がある」として、今回の知見が下肢切断予防の効果的な治療戦略の策定に役立つとしている。なお、研究結果は糖尿病の有無別に下肢切断の発生率を評価した国内初の報告となる。