ゲーム障害の効果的な治療法とは

 近年ゲーム障害が注目を集めている。2018年に発表された世界保健機関(WHO)の国際疾病分類第11版(ICD-11)には「Gaming disorder」が新たな疾患として追加され(2022年施行予定)、わが国においても昨年(2020年)、香川県がネット・ゲーム依存症対策条例を施行したことで大きな議論が巻き起こった。大阪市立大学大学院神経精神医学講師の片上素久氏は、専門外来で日々診療する立場から、ゲーム障害患者への治療アプローチや心理的介入の難しさについて第117回日本精神神経学会(9月19~21日、ウェブ併催)で報告。治療者は患者がゲームに逃避する背景を理解することや、患者本人と家族のパワーゲームに巻き込まれないことの重要性を強調した(関連記事「ゲーム障害、治療には青少年特有の難しさも」「ゲーム依存が疾患に」)。