脳脊髄液漏出症は正しく理解されていない

 中村整形外科(山口県)院長の中村克巳氏は、交通事故診療における脳脊髄液漏出症や低髄液圧症候群、脳脊髄液減少症に関して日本臨床整形外科学会(JCOA)会員を対象にJCOA自賠・労災委員会が行ったアンケート結果を、第34回同学会(10月4~29日、ウェブ開催)で発表。これらの疾患は損害賠償請求訴訟をはじめとするさまざまなトラブルへと発展した事例が報告されているが、同アンケートでは鑑別に必要となる起立性頭痛の問診はあまり行われておらず、患者の紹介先が「ない」または「わからない」という回答が約6割に上るなど、適切な診断と治療の実現に向けた課題が明らかとなった。