精神栄養学によるうつ病の最新知見

 世界保健機関(WHO)によると世界のうつ病の有病率は4.4%とされ、厚生労働省の発表では日本国内でうつ病の治療を受けているのは128万人とされる。うつ病に対しては、主因となるストレスを軽減する環境調整、薬物療法、脳刺激療法、リハビリテーションなどを中心に介入が行われてきたが、近年海外を中心に注目を集めているのが栄養・運動療法である。うつ病と食事との関係は深く、うつ病患者では特定の栄養不足が指摘されている。精神栄養学の研究を精力的に行っている帝京大学精神神経科学講座主任教授の功刀浩氏は第43回日本臨床栄養学会/第42回日本臨床栄養協会(10月2~3日、ウェブ開催)で、うつ病と生活習慣、腸内細菌との関係について最新の研究結果を報告した。