においの識別能がアルツハイマー病を予測

 アルツハイマー病(AD)では嗅覚障害が生じることが知られており、軽度認知障害(MCI)の段階で生じる嗅覚障害がAD進行の予測因子となりうるかが注目されている。高知大学神経精神科学講座講師の樫林哲雄氏は第36回日本老年精神医学会(9月16~18日、ウェブ開催)で、MCIから初期ADに関連する脳部位についての統計画像解析および、MCI患者を2年間追跡し嗅覚障害の程度とADへの進行との関連を検討した研究について発表。においの検知能(Detection)および識別能(Identification)のうち、識別能が高度に障害されている場合、「1~2年後にADへ進行する可能性が高い」との見解を示した。