インクレチン関連薬は合併症を防ぐか?

 血糖依存性にインスリン分泌を促す消化管ホルモンのインクレチン。日本では現在、インクレチン関連薬として、インクレチンの分解を抑制するDPP-4阻害薬と、インクレチンの1つGLP-1のアナログであるGLP-1受容体作動薬が使用されている。糖尿病合併症、特に心血管合併症に関しては食後高血糖あるいは食後血糖変動が高いリスクとなることが示唆されており、この点でインクレチン関連薬による食後高血糖の是正作用が注目されている。岐阜大学糖尿病・内分泌代謝内科学/膠原病・免疫内科学教授の矢部大介氏は、第36回日本糖尿病学会/第27回日本糖尿病眼学会(10月8~9日、ウェブ併催)で、DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬の糖尿病合併症に対するエビデンスをレビューした。