肺がん新治療法につながる発見か

 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異は日本人の非小細胞肺がん(NSCLC)症例の多くで確認され、治療薬としてEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)が広く使用されている。しかし、投与開始20カ月でがんが抵抗性を獲得し、その後の治療が困難となるケースが多く見られる。近畿大学内科学腫瘍内科部門講師の米阪仁雄氏らは、第一三共との共同研究でEGFR遺伝子変異陽性NSCLCの新たな治療法の開発につながるHER3遺伝子の発現異常を発見。抗HER3抗体薬物複合体(ADC)のパトリツマブ デルクステカンとEGFR-TKIのオシメルチニブ(商品名タグリッソ)の併用が、治療に有効である可能性があるとClin Cancer Res2021年12月17日オンライン版)に発表した。