高齢者でT&Dを起こさないために

 高齢者の頭部外傷では受傷時の意識障害が軽微でも、急速に悪化して転帰不良となる例がある。いわゆるtalk & deteriorate(T&D)症例だ。国際医療福祉大学成田病院脳神経外科教授の末廣栄一氏は、その予防には外傷性の微細な脳損傷の見逃しを防ぐことが何より重要だとし、①迷わず頭部CTを撮る、②D-ダイマーでダブルチェックを行うの2点を推奨した。第27回日本脳神経外科救急学会(2月4〜5日、ウェブ開催)のシンポジウム「高齢者の頭部外傷:talk & deteriorateに対する取り組み」からレポートする(関連記事「Talk & deteriorateに御用心!」)。