がん患者で罹患率高い循環器疾患は?

 近年、がん治療の進歩により、がん患者では以前と比べ良好な予後が期待できるようになってきた。一方で、抗がん薬の心毒性による死亡例に関する国内の研究はほとんど行われていない。国立循環器病研究センター研究所予防医学・疫学情報部の村田峻輔氏らは、全国の新規がん患者を医療施設ごとに登録する院内がん登録(HBCR)データを用い、がん患者における心血管イベント発生リスクを検証した結果を第86回日本循環器学会(3月11~13日、ウェブ開催)で発表。がん患者では、不整脈や心不全のリスクが高く、この傾向は肺がんや肝がん例で顕著だったと報告した。