クロザピンの中止の危険因子を解明

 治療抵抗性統合失調症(TRS)に対し有効性が認められている唯一の治療薬であるクロザピン(CLZ)。高い効果が得られる一方で、無顆粒球症や心筋炎、高血糖といった重篤な副作用が出現し、治療中断に至る場合がある。千葉大学病院薬剤部の築地茉莉子氏は、CLZ投与開始初期の中止の危険因子を検討。喫煙歴がリスク因子となることを、第16回日本統合失調症学会(3月20~21日)で発表した。また、CLZの中止理由の1つである好酸球増多と気分安定薬バルプロ酸の併用が関連することが示唆されたとして、「CLZ中止の絶対条件ではないが、両薬の併用には注意が必要」と指摘した。