予防的卵巣摘出術の日本初の推奨年齢データ

 遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)の発症リスクとなるBRCA1/2遺伝子の病的バリアントを有する女性に対し、リスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)の最適な時期を検討する上で有用なデータが示された。新潟大学大学院産科婦人科学分野教授の榎本隆之氏、准教授の関根正幸氏の研究グループは、日本人女性を対象にBRCA1/2遺伝子病的バリアント陽性者の卵巣がん発症年齢を検討。その結果、BRCA2 病的バリアント陽性者は発症年齢が有意に高く、40歳未満の発症例は認められていなかったと発表した。関根氏は「BRCA遺伝子の種類と患者の年齢を考慮して、個別化された遺伝カウンセリングが可能になる。特に妊娠を望む若い女性には大きな福音となるだろう」としている。結果の詳細は、J Gynecol Oncol2022; 33 :e46)に報告された。