コロナ嗅覚障害の遷延例で異嗅症が増加

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者数が増加した第六波では、第五波まで多数を占めていた嗅覚・味覚障害を訴える患者の割合が大幅に減少した。だが、従来株に比べCOVID-19患者数ははるかに多く、いまだ一定数の嗅覚・味覚障害患者が存在する。金沢医科大学耳鼻咽喉科学主任教授の三輪高喜氏は、第62回日本呼吸器学会(4月22~24日)で、嗅覚障害が遷延化する患者の特徴や現時点で考えられる治療法について解説。「嗅覚障害が長期間持続する遷延例では著しいQOLの低下が見られ、異嗅症を訴えて受診する患者が増加している」と現状を報告した。