川崎病の病態にHRGとHMGB-1が関与

 川崎病は乳幼児期に好発する原因不明の全身血管炎で、特に1歳前後の男児に多く見られる。重篤な合併症として冠動脈瘤があり、既存治療で効果不十分な場合に発症しやすいが、治療反応性については明らかでなかった。岡山大学小児医科学分野の八代将登氏らの研究グループは、通常は細胞核の構成因子として存在し、炎症刺激時に放出される核内蛋白質(High Mobility Group Box-1;HMGB-1)およびHMGB-1による炎症の増幅を抑制する血管内皮細胞を保護するヒスチジンリッチグリコプロテイン(Histidine Rich Glycoprotein;HRG)に着目し、難治性川崎病の病態との関連を検討。その結果、川崎病患者では治療経過中に血中HRGが低下してHMGB-1が上昇すると、治療反応が低下することが分かったとModern Rheumatol2022年4月29日オンライン版)に発表した。