骨転移を早期に発見するスキル

 がんの骨転移はかつて治療する適応に乏しい終末期とされていたが、現在ではステージⅣながら数年以上の生存が期待できる症例も少なくないことから、治療すべき病態と考えられるようになった。しかし、骨転移は早期発見がQOLや余命を左右する鍵であるにもかかわらず、開業医や一般の整形外科外来では見逃されがちで、十分な治療が行われていないのが実情である。静岡県立静岡がんセンター整形外科部長の片桐浩久氏は「もっと早く診断、紹介されていたら麻痺には至らなかった」骨転移例をこれまでに多数受け入れてきた。自身の経験に基づき構築した早期発見のための秘訣(スキル)を、第95回日本整形外科学会(5月19~22日)で紹介した。