多発性硬化症の認知機能障害とQOL低下に相関

 近年、多発性硬化症(MS)は疾患修飾薬(DMD)の登場で再発・進行抑制が可能となりつつある。一方、MSの主な症状の1つである認知機能障害は早期から認められるケースが多く、患者のQOLに多大な悪影響を及ぼすことが懸念されている。国立病院機構北海道医療センター臨床研究部部長の新野正明氏は第63回日本神経学会(5月18~21日)で、日本人MS患者における認知機能障害とQOL、疲労、抑うつとの関連について報告。「QOLおよび抑うつとの間に強い相関が認められた」と述べた。なお、結果の詳細はMult Scler Relat Disord(2022; 57: 103427)に掲載されている。