注目高まるALS治験の最新動向を解説

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬開発は、病態関連遺伝子・分子の解明が進んだことで新たな臨床試験が次々と開始され、活況を呈している。徳島大学大学院臨床神経科学分野教授の和泉唯信氏は、ALSに対する臨床試験の動向を第63回日本神経学会(5月18~21日)で解説。ALS患者を対象にプラセボを対照として高用量メチルコバラミン(末梢性神経障害治療薬メコバラミンと同一成分)の有効性を示した医師主導治験の経験も踏まえ、「遺伝子診断がこれまでより重視され、薬理作用を明らかにするため血液や脳脊髄液などのバイオマーカーを用いた評価も求められる傾向にある」と指摘した。(関連記事「高用量ビタミンB12が早期ALSの進行を抑制」)