ゲノム解析で精神疾患の共通性を同定

 主要な精神疾患である双極性障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害(ASD)の発症には、遺伝的要因の影響が比較的大きく、共通するリスク変異があることが知られている。名古屋大学精神疾患病態解明学特任教授の尾崎紀夫氏らは、これら3疾患の発症におけるゲノムコピー数変異(Genomic Copy Number Variation;CNV)の関与を検討するため、3疾患の日本人患者と健常者のCNV解析を実施。双極性障害で見られるCNVは統合失調症やASDと比べて小規模な欠失が多く、3疾患に共通の分子病態として唯一クロマチン修飾との関連が確認されたとの結果をBiol Psychiatry2022年4月21日オンライン版)に発表した。