rTMS療法、慢性疼痛にも効果

 頭部に当てた磁気コイルに電流を流して大脳皮質の神経軸索を規則的に刺激し、脳の活動性を変化させる反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法。日本で承認されている適応症は中等症以上のうつ病だが、その機序から他の精神・神経疾患に対する有用性も期待されている。鳴門シーガル病院(徳島県鳴門市)の澤田和之氏は第118回日本精神神経学会(6月16〜18日)で、うつ病に併発した慢性疼痛にrTMS療法が奏効した自験例を報告。「rTMS療法により線条体のドパミン放出が増加し、下行性疼痛抑制系の働きが強まったことで、疼痛が抑制されたのではないか」と述べた。(関連記事:「難治性うつ病のrTMS療法、維持期の検証開始」