銭湯は孤独なコミュニティーへの処方箋

小杉湯三代目 平松佑介氏

 町から個人商店が減り、銭湯が消え、商店街がシャッター街に変貌し続けている。一方で、独居世帯は4割を占め、誰とも口をきかずに1日を終える人が増えている。そうした孤独を生み出したのは、名前も仕事も知らないが挨拶はする、世間話は交わすといった人と人との弱いつながり、淡いコミュニケーションの喪失かもしれない。第13回日本プライマリ・ケア連合学会(6月11〜12日)のシンポジウム「社会的処方におけるプライマリ・ケアの役割および課題」では、高円寺(東京都杉並区)で人気の銭湯、小杉湯を経営する平松佑介氏が講演を行った。同氏は「一人でも居られる中距離のご近所関係」を求めて、多くの世代が小杉湯を訪れていると分析する。