乳がん領域の働き方改革、課題が山積

 女性医師が多い診療科では妊娠や出産でいったん臨床から離れるケースが想定されることから、一部に負担が偏らないような体制の構築が求められる。乳腺科は近年、女性医師が増加する一方、男性医師の比率低下が目立つ診療科で、女性医師が安心して妊娠・出産できる体制を整えるとともに、一時的に離脱したスタッフの負荷が一部にかかることがないような労働環境の改善が課題となっている。東京慈恵会医科大学葛飾医療センター外科診療医長/輸血部診療部長の川瀬和美氏は、日本乳癌学会が実施した「乳癌診療の勤務体制・女性医師支援・働き方改革に関する調査」の結果を第30回日本乳癌学会(6月30日~7月2日)で発表した。中には、年間100件以上の手術を1人でこなしているという施設もあり、より良い働き方を実現するため、早急な体制構築が求められていることを示す結果となった。