国内初、がん患者の遺族ケアGLが刊行

 がんなどの身体疾患で家族を亡くした遺族は、抑うつ、不安、悲嘆などの精神心理的苦痛が強く持続し日常生活を来す場合がある。日本サイコオンコロジー学会と日本がんサポーティブケア学会は精神心理的苦痛の診療とケアに関する国内初の『遺族ケアガイドライン(GL)2022年版』を策定し、7月4日に刊行した。日本サイコオンコロジー学会GL策定委員会遺族ケア小委員会の委員長を務めた国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科長の松岡弘道氏は7月14日に開いたオンライン記者会見で、同GL策定の意義やポイントについて解説。「GL作成はケアの理解への第一歩であり、今後は遺族・家族ケア外来の広がりや精神腫瘍医や専門家の充足が求められる」と課題を挙げるとともに、「遺族・家族のケアに携わる医療者だけでなく、遺族を支援する一般の人も広くGLを読んでほしい」と述べた。