アルツハイマー病の研究論文に改竄の痕跡

 アルツハイマー病研究の端緒は、1906年のAloysius Alzheimerによる認知症患者の脳組織における蛋白質プラーク沈着の報告である。その100年後に当たる2006年にNatureに掲載されたアルツハイマー病の論文に不正の可能性があることが、米・Vanderbilt UniversityのMatthew Schrag氏により指摘された。その検証を託されたScienceは調査を開始。6カ月の調査を経て疑惑を支持する結果を得たことから、詳細を2022年7月22日の誌面(Science 2022; 377: 358-363)で報じた。疑義はこれにとどまらず、同じ研究者による他の複数の論文でも認められ、調査は現在も継続されている。なお、こうした事態を受け、Natureは当該論文に7月14日付で一部の図に関して調査中との注記を加えている。