アトピーに有望な新規抗体薬の開発が活況

 アトピー性皮膚炎(AD)の薬物治療は、この数年で新規作用機序を有する外用薬や抗体製剤が発売され、転換期を迎えている。中でも、2018年に登場した抗インターロイキン(IL)-4/13受容体抗体デュピルマブは大きなインパクトをもたらした。炎症の中心的な役割を担う炎症性サイトカインを標的とした分子標的薬で、中等症・重症AD患者の皮膚の炎症や痒みの大幅な改善が得られている。ADの病態解明が進むにしたがい、同薬に続く抗体医薬の開発が行われており、さらなる治療選択肢の拡大が期待される。九州大学医学科皮膚科学分野教授の中原剛士氏は、第121回日本皮膚科学会(6月2~5日)で、ADに対する抗体医薬の開発状況や注目の新薬候補品について解説した。