旧優生保護法、精神科医の責任は?

 本人の同意がなくても都道府県の審査会で申請が認められれば、障害者に対して強制不妊手術を行えた旧優生保護法(以下、旧法)。日本精神神経学会法委員会(以下、法委員会)は人権や生命倫理的問題をはらむ旧法とそれを支えた「優生思想」とは何かという問題に注目し、調査研究を進めている。国立病院機構仙台医療センター総合精神神経科部長で法委員会委員の岡崎伸郎氏は第74回日本産科婦人科学会(8月5~7日)で、調査から見えてきた旧法と精神医療の関係について報告。旧法は精神科医の関与なしには運用されえなかったとし、「日本精神神経学会の道義的責任は極めて大きい」と強調した。では、個々の精神科医の責任はー。