ERCP後膵炎の治療・予防法のポイントとは

 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)後膵炎(PEP)は「ERCP施行後より新たに急性膵炎の臨床徴候を呈し、膵酵素の上昇を伴うもの」と定義され、ERCPに伴う医原性偶発症の中で最も頻度が高い疾患である。診療の手引きとして『ERCP後膵炎ガイドライン2015』(以下、『PEP GL 2015』)が公開されているが、昨年(2021年)『急性膵炎診療ガイドライン2015』を改訂した『急性膵炎診療ガイドライン2021』(以下、『急性膵炎GL 2021』)が発刊、PEPに関する内容が一部変更されたことに伴い、内容の統一などを目指して『PEP GL 2015』の改訂作業も進んでいる。東京医科大学消化器内科学分野講師でGL作成委員の向井俊太郎氏は、第53回日本膵臓学会(7月7~9日)でPEP診療と予防法に関するポイントを解説しつつ、改訂版『PEP GL 2015』に明記すべき事項や課題について報告した。