胎児発育評価で将来のメタボを予防?

 出生体重は母親の周産期予後の重要な予測因子であるだけでなく、児の長期予後とも関連する。低出生体重児では成人期の心血管疾患や生活習慣病の発症頻度が高く、妊娠糖尿病(GDM)の母親から出生したheavy-for-date(HFD)児では、小児期のメタボリックシンドローム発症リスクが上昇すること(Developmental Origins of Health and Disease;DOHaD仮説)が提唱されている。慶應義塾大学産婦人科学教室の池ノ上学氏らは胎児期における脂肪量に着目し、超音波パラメータを用いて新生児体脂肪率の予測因子や胎児脂肪量の規定因子を探索した結果を第74回日本産科婦人科学会(8月5~7日)で発表。胎児脂肪量や胎児肝血流量、胎盤副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)が胎児発育評価における重要なパラメータとなりうることを示した。