痤瘡治療、患者のやる気を維持するには

 日本人の9割以上が経験する尋常性痤瘡、いわゆるにきびに悩まされた記憶を持つ人は多いと思われる。尋常性痤瘡の基本治療薬として、2008年にアダパレン、2015年に過酸化ベンゾイル(BPO)製剤が日本でも登場したが、治療に難渋する症例はいまだ少なくない。その主な理由の1つに、痤瘡治療における継続の難しさがある。「なかなか治らない」「皮膚科に行くのは面倒」。そのような不満が患者を治療から遠ざける。第40回日本美容皮膚科学会(8月6〜7日)では、「患者をやる気にさせる」を主軸とした痤瘡治療を実践する野村皮膚科医院(横浜市)院長の野村有子氏が、そのポイントを解説した。