再生医療法に構造的課題

 再生医療においては、安全性や有効性が証明されていない高額な幹細胞治療などが自由診療として患者に提供され、それに伴う合併症・有害事象の発生、訴訟などの事例が散見され、世界的に問題視されている。こうした現況を危惧した京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)教授の藤田みさお氏らの研究グループは、日本において再生医療として提供されている幹細胞治療(以下、幹細胞治療)の実態を調査。安全性や有効性に疑問が残る幹細胞治療、科学的エビデンスが確立されていないがん免疫療法などが多数行われており、これらは再生医療等安全性確保法(再生医療法)の構造的な課題に起因する可能性があるとの結果をCell Stem Cell2022; 29:1294-1297)に発表した。