抑うつ症状に対する新規薬剤の実力を探る

 うつ病、双極性障害のアンメットメディカルニーズとして、①抑うつ状態への効果、改善までの期間、②難治性・治療抵抗性、③副作用(特に長期治療が必要になる双極性障害)、④寛解・部分寛解後の認知機能障害、⑤再燃予防、躁転―が挙げられる。関西医科大学精神神経科学講座准教授で同大学病院精神神経科科長の加藤正樹氏は、2019年9月に承認されたセロトニン再取り込み/セロトニン受容体モジュレーターのボルチオキセチン(商品名トリンテリックス)および2020年3月に承認されたセロトニン・ドパミン遮断薬のルラシドン(商品名ラツーダ)がこれらのニーズ、特に効果、認知機能障害、副作用の問題に対してどのように貢献するのか、第19回日本うつ病学会(7月14〜15日)で解説。また、現在開発中の薬剤についても供覧した。