ジョギングや水泳で男性の脳卒中リスクが軽減―米研究
2011年08月05日 10:38
【セントポール(米ミネソタ州)】米コロンビア大学医療センターのJoshua Z. Willey准教授らは「ジョギング、テニス、水泳など中~高強度の運動を定期的に行っている男性は、運動をしない、またはウオーキング、ゴルフ、ボウリングなど軽い運動しかしない男性よりも脳卒中リスクが低い」との研究結果を米医学誌「Neurology」(2009; 73: 1774-1779)に発表した。しかし、女性では中~高強度の運動を行っていても脳卒中リスクは軽減されなかった。
運動しない男性に比べ63%低い
今回の研究では、ニューヨークのマンハッタン北部在住の3,298人(平均年齢69歳)を対象とし、約9年間追跡調査を行った。研究期間中に238件の脳卒中が認められた。被験者の41%は何も運動をしなかったと報告し、20%は中~高強度の運動を定期的に行っていた。
研究の結果、中~高強度の運動を行っていた男性では、何も運動をしなかった男性と比べて脳卒中リスクが63%低かった。Willey准教授は「中~高強度の運動は、脳卒中予防の重要な要素となる可能性が高い。多くの被験者が全く運動をしておらず、都会に住む多くの高齢者はこの状態に該当すると考えられる。彼らが運動量を増やす方法を見つけることが、公衆衛生上の大きな目標となるだろう」と述べている。
今回の結果は、軽い運動でも脳卒中リスクが軽減されると発表された一部の研究とは異なるもの。同准教授らは「軽い運動のみを行った者と全く行わなかった者の脳卒中発症率の微妙な差を検出するには、被験者の数が十分ではなかった可能性がある」と述べている。
米国では、脳卒中は機能障害を引き起こす主要な原因となっており、全米第3位の死亡原因でもある。
Medical Tribune紙 2010年2月11日号 掲載