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長時間のテレビ視聴で心臓病関連死のリスク上昇―豪研究

 2011年08月08日 17:13

 【ダラス】オーストラリア・ベーカーIDI心臓・糖尿病研究所のDavid W. Dunstan室長らは、1日のテレビの視聴時間が増えると、心血管疾患(心臓や血管など循環器における病気)に関連した死亡リスクが増えるという研究結果を、米医学誌「Circulation」(2010; 121: 384-391)に発表した。視聴時間が1時間増えるごとに、同リスクは18%増大したという。

デスクワークでも同様の結果か

 今回の研究では、1999~2000年に25歳以上の男性3,846例と女性4,954例を登録し、面接、糖尿病を診断する経口ブドウ糖負荷試験、血中コレステロール値、血糖値などで評価を行い、2006年まで追跡した。面接では、過去7日間のテレビ視聴状況を聞き、1日2時間未満、2~4時間、4時間超の3群に分類。心血管疾患にかかったことがある人は解析から除外した。6年以上の追跡期間中に284例が死亡し、そのうち87例は心血管疾患、125例はがんが原因だった。

 解析の結果、テレビの視聴時間とがんによる死亡の間の関連は弱かったが、心血管疾患関連死やすべての原因による死亡(全死亡)の増加との間には、直接的な関連が認められた。また、1日のテレビの視聴時間が1時間増えるごとに、全死亡リスクが11%、がん死リスクが9%、心血管疾患関連死リスクが18%、それぞれ増大することが確認された。

 さらに、1日のテレビの視聴時間が2時間未満の人と比べ、4時間超の人では全死亡リスクが46%、心血管疾患関連死リスクが80%増大することが分かった。この関連は喫煙、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、不健康な食事、腹囲の増大、余暇時間における運動不足など心血管疾患を引き起こす可能性がある要素とは関係なく認められた。

 今回の研究はテレビの視聴時間に焦点を当てているが、この結果はデスクワークやパソコンの使用など、長時間動かない生活が総じて健康に悪影響を及ぼすことを示唆している。

 Dunstan室長は「人間の身体は動くように作られており、長時間座るようにはできていない。人間は日常生活の中で体の筋肉を動かしていたが、そうした生活の中の大部分を座って過ごすようになってしまった。その結果、生活の中でのカロリー消費量は減少している」と指摘。「定期的な運動をすることに加え、長時間座るのを避け、もっと身体を動かすことが重要」と述べている。

Medical Tribune紙 2010年2月18日号 掲載

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