片頭痛患者は乳がんリスクが低い?―米研究
2011年08月08日 17:13
片頭痛にかかったことがあるかないかが、閉経後に乳がんを発症する危険性と関係している可能性があると、米国の共同研究グループが米医学誌「Journal of Clinical Oncology」(2010; 28: 1005-1010)に発表した。
片頭痛の病歴がある女性は乳がんのリスクが低いという仮説がある。同グループは、米国の調査「Women's Health Initiative Observational Study」に参加した50~79歳の女性9万1,116例を対象に、この仮説を検証した。1993~98年の登録から2005年9月までの乳がん診断は4,006例だった。
解析の結果、片頭痛の病歴がある女性は病歴がない女性と比べ、乳がんのリスクが0.89倍と低かった。この関係は、頭痛の治療でよく用いられる非ステロイド抗炎症薬の使用によって変わることはなかった。片頭痛の病歴によるリスクの低下は、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロン受容体がともに陽性の乳がんで強かった(0.83倍)。
Medical Tribune紙 2010年3月11日号 掲載