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まばたきができない! 「眼瞼痙攣」

 2011年08月08日 10:29

 まぶたの開閉がままならなくなる「眼瞼(がんけん)痙攣(けいれん)」の患者は全国で約3万人といわれるが、実際にはその20倍と推定されている。ドライアイと間違われたり、気のせいにされたりするケースが多く、日常生活に支障を来す人が絶えない、注意したい病気だ。

急にまぶたが閉じる

  眼瞼痙攣について、井上眼科病院(東京都)の若倉雅登院長(神経眼科)は「目の周りの筋肉が収縮して目が開けにくくなり、まばたきがうまくできなくなる病気です。主症状は、光がまぶしい、目を開けていられない、目が乾くなどです」と話す。

  こうした症状を訴えて一般の眼科を受診しても、目にこれといった異常がないため、ドライアイや眼精疲労と間違われるケースが多いという。

  「ドライアイや眼精疲労との大きな違いは、外に出たときに光がまぶしく、意志に関係なく急にまぶたを閉じるなど、まぶたの移動に支障を来す点です。このため自動車の運転中に事故を起こしたり、歩行中に物や人にぶつかって転んだりするケースが実に多いのです」(同院長)

筋肉の緊張緩める治療

 最悪の場合は、生命にもかかわる。それを回避するには、眼瞼痙攣という病気のあることを認識するのが第一だ。

  「症状からこの病気が疑われる、あるいはドライアイや眼精疲労の治療を受けていても改善されない場合は、神経眼科を受診すべきです。神経眼科医は全国に1,000人ほどいますが、自分で見つけられない場合は、かかっている眼科医に紹介してもらうとよいでしょう」(若倉院長)

 診断では、(1)リズミカルに軽くまばたきができるか、(2)10秒間にできるだけ早いまばたきが何回できるか、(3)強く閉じたまぶたをパッと開けられるか―といったまばたきの検査が行われる。

 「はっきりとした原因が分かっていないので根本的な治療は難しいのですが、一種の麻酔薬であるA型ボツリヌス毒素を目の周りの筋肉に注射して、筋肉の異常な緊張を緩める治療が主流です。それでも改善されない場合は、まぶたを開ける筋肉を強化する手術が行われます。いずれにせよ、病態をよく理解して根気よく治療することが大切です」(同院長)

 また「強いストレス、抗不安薬や睡眠薬などの薬剤が誘因になっている場合は、それらを避けるように」と同院長はアドバイスしている。

2006年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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