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乾癬患者は勃起障害になりやすい?―台湾研究

 2012年01月18日 11:09

 勃起障害(ED)患者では乾癬(かんせん)の既往が約4倍に上るという研究結果が、1月発行の米医学誌「Journal of Sexual Medicine」(2012; 9: 130-135)に掲載された。台湾・亜東記念医院のShiu-Dong Chung氏らが国民健康保険のデータを基に実施した研究で、同氏らは「医療者は乾癬患者のEDに注意を払わなければならない」と指摘している。

危険因子は共通

 Chung氏らは、国民健康保険のデータから40歳超で2002~09年に新たにEDと診断された4,606人(平均年齢57.4歳)を特定し、1人につき年齢層が一致した3人を対照(1万3,818人、平均年齢57.3歳)としてランダムに抽出。EDと乾癬の診断歴の関連について分析を行った。

 ED群は対照群と比べ、脂質異常症(28.7%対19.9%)、糖尿病(25.1%対17.8%)、高血圧(39.8%対36.9%)、心筋梗塞などの冠動脈疾患(21.7%対17.2%)、肥満(0.9%対0.3%)の割合が高く、収入が多く、都市部に居住している傾向があった。

 乾癬の診断歴があるのは全体の0.7%(136人)で、ED群は1.7%、対照群は0.4%。対照群と比べたED群の乾癬の診断歴は、3.85倍に上った。

 乾癬は全身性の代謝異常や心血管障害と関連があることが分かっており、それはEDの危険因子でもある。活性酸素による一酸化窒素の不活化などを通して、メタボリックシンドローム、内皮障害、血管不全などが起こり、これらはEDや乾癬をも引き起こすと推測される。

 今回の研究では、メタボリックシンドローム関連疾患で調整した後も乾癬はEDの独立した関連因子であることが示され、さらなる研究、詳細の解明が必要だとChung氏は指摘している。

(編集部)

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