メニューを開く 検索

トップ »  疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」 »  近視や乱視、遠視にも効果―眼内レンズの埋め込み手術

疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」一覧

近視や乱視、遠視にも効果―眼内レンズの埋め込み手術

 2012年02月01日 09:59

 強度の近視や乱視などの屈折矯正法として「有水晶体眼内レンズ(PIOL)」の埋め込み手術が注目されている。日本で初めてこの手術に取り組んだ北里大学医学部(神奈川県)眼科の清水公也主任教授に聞いた。

レンズの入れ替え可能

 PIOLは長さが12ミリ前後の長方形で、ソフトコンタクトレンズよりも目に優しいという。点眼麻酔の後、耳側の角膜輪部を3センチほど切開し、眼内に挿入する。「角膜と虹彩の間にある前房に設置する前房型と、虹彩の後ろの後房に設置する後房型の2つの手術法がありますが、われわれは切開部分を小さくできる後房型を採用しています」(清水教授)

 後房型は、

  1. レーザー手術では矯正できない強い近視、乱視、遠視を直せる
  2. 矯正の精度と安定性が高い
  3. 明暗の影響をあまり受けず、くっきりはっきりと見えるようになる
  4. レーザー手術では元の状態に戻せないが、新しいレンズに入れ替えられる

―などの点が優れているという。

入院の必要ない

 一方、極度に強い遠視には効果が無いほか、高齢者の白内障を悪化させかねないことや、健康保険が適用されていないため、治療費が片方の目で40―50万円もかかるといった問題もある。

 清水教授は「強い近視や乱視で日常生活に支障を来したり、仕事上の理由で裸眼の視力が必要な人などにはメリットは大きいと思います。通院手術だけで済み、片方の目なら10分以内で終わります。まだ新しい治療法なので、実施している医療機関は限られているため、掛かり付けの眼科で相談してみるといいでしょう」とアドバイスしている。

2008年2月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

ワンクリックアンケート

大阪万博まであと1年

トップ »  疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」 »  近視や乱視、遠視にも効果―眼内レンズの埋め込み手術