中高年女性に多いシェーグレン症候群―目や口が乾く
2012年02月07日 09:59
シェーグレン症候群は中高年女性に多く見られる病気で、目や口が乾くなどの症状が出る。免疫細胞が自身を攻撃する自己免疫疾患とされている。「これらの症状は、関節リウマチや膠原(こうげん)病で見られることもあるので、専門医の受診を勧めます」と馬事公苑クリニック(東京都)の橋本博史院長は話す。
感染症や虫歯も増加
シェーグレン症候群では、涙や唾液(だえき)を分泌する涙腺や唾液腺に炎症が起き、涙や唾液の分泌量が少なくなる。
「涙腺や唾液腺などに異常が起きたときに反応する免疫担当細胞があるのですが、そうした細胞が涙腺や唾液腺の組織を攻撃していると思われます」と橋本院長。こうしたことから、自己免疫疾患とみられている。
涙の分泌が少なくなると、眼球の角膜や結膜が傷つきやすくなる。目がごろごろし、明るい所だとまぶしく感じる。また、目やにが出る、目がかゆい、目が疲れるなどして生活に支障を来す。
口の中が乾くと、乾いた食べ物は食べづらくなり、水分を含んだ食べ物を好み、お茶や水を頻繁に飲むようにもなる。唾液には口の中の細菌を攻撃して歯を守る役目もあるが、口の中が乾いて荒れると感染症にかかりやすくなって虫歯も増える。
治療では、涙や唾液の分泌を促進させる薬を内服する。また、人工唾液を口の中に噴霧する方法もある。目には専用の点眼薬を用いる。
専門医の鑑別診断を
この病気は、根気よく治療を続ける必要がある。「虫歯が増えるので日ごろから歯磨きを励行し、口の中を常に清潔に保つように心掛けることが大切です」と橋本院長。
似たような症状は関節リウマチや糖尿病、副甲状腺疾患、ある種の薬の服用などでも起こるので、専門医を訪ねて他の病気によるものなのかどうか鑑別診断を受けることも必要だ。
2009年2月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)