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角膜を切ってレンズ挿入―白内障の手術療法

 2012年03月09日 09:49

 白内障は高齢者に多く、80歳代では大半の人に見られるほどだという。生活に支障を来す場合は、安全性の高い眼内レンズ挿入手術が行われている。東京警察病院眼科の福田匠氏に、治療法を中心に白内障について聞いた。

支障なければ経過観察

 白内障は、カメラでいえばレンズに当たる目の水晶体が濁る病気。加齢によるケースが最も多く、通常は40歳以降に発症する。「視力が低下する、目がまぶしいなどの症状が表れます。ただ、こうした症状はほかの目の病気でも起こるので、異常を感じたときには眼科で診察を受けてください」(福田氏)

 眼科の精密検査で白内障と分かれば、症状の程度に応じた治療法が取られる。「生活に支障がない場合は、通院してもらいながら経過を見ます。症状が進行して生活に支障を来しているときには水晶体を摘出して眼内レンズを挿入する手術を行います」(同氏)

日帰り手術も可能

 眼内レンズは、アクリル製で直径約6ミリ。局所麻酔後、角膜を3ミリほど切開し、レンズを折り畳んで挿入する。眼底の異常など他の問題がなければ、視力は改善する。「角膜にメスを入れるため怖がる人もいますが、安全性は高い手術です。日帰り手術も可能。入院の場合は術後の経過を見るため、退院まで片方の目で2~3日、両方の目なら5日ほど必要です」(福田氏)

 細菌感染を防ぐため、退院後は、抗生物質や抗炎症薬を含んだ点眼薬を使いながら、3カ月前後は定期的な経過観察をすることになる。このほか、日常生活面で「術後1週間は顔は蒸しタオルでふく程度にして、洗髪や洗顔は控えるように」と、福田医師はアドバイスしている。

(編集部)

2008年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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