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血液のがん、悪性リンパ腫―首、脇の下、脚の付け根に腫れ

 2012年03月22日 16:18

 全国で悪性リンパ腫が増えている。新たな発病者は年間約1万8,000人とされており、早期発見が大切になる。ポイントは、首や脇の下、脚の付け根などのリンパ節の腫れ。東京医科大学血液内科の後藤明彦講師は、こうした腫れがひかないようなら専門の病院で診察を受けるよう呼び掛けている。

1.5センチ以上の腫れ

 悪性リンパ腫は、血液中の白血球の一種であるリンパ球のがん。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別され、日本では非ホジキンリンパ腫が多い。主な症状は、

  1. リンパ節の腫れ
  2. 38度前後の発熱
  3. 寝間着がぬれるほどの寝汗
  4. 急激な体重減少

―など。中でも特徴的なのが、リンパ節の腫れだという。

 「首や脇の下、脚の付け根などのリンパ節が腫れますが、痛みはありません。硬いゴムのような感触で、大きさは通常1.5センチ以上です。こうした腫れや発熱、寝汗、体重の減少などの症状が続く場合は、念のため血液内科で診察を受けてください」(後藤講師)

気付きにくいタイプも

 進行の度合いはタイプによって異なるが、高悪性度群は日単位、中悪性度群では月単位、低悪性度群は年単位だ。このうち、中悪性度群が最も多い。「高悪性度群は極めて進行が速いので症状に気付きやすいのですが、逆が低悪性度群です。気付いたときには、かなり進行していたというケースが多いのです」(後藤講師)

 病院では、血液検査や画像による診断のほか、組織の細胞を採取して病理学的検査も行われる。健康診断の胸部レントゲン検査で大きな腫瘤(しゅりゅう)や胸水があることが分かり、見つかった例もある。

 「治療は、放射線療法と抗がん薬による化学療法が基本です。病態によって、どちらかあるいは併用する場合もあります」(同講師)

 悪性リンパ腫は、もともと体の免疫力が落ちているときに発症しやすく、抗がん薬の投与によってさらに免疫力が低下するので、治療中は感染症の予防も大事になる。後藤講師は「風邪がはやっているときなどは、外出を控えるといったことも必要です。治療が終わっても再発の危険性があるので、定期的に経過観察を受けてください」とアドバイスしている。

(編集部)

2008年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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