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つらい後遺症が残りやすい帯状疱疹

 2012年03月26日 16:18

 顔や体の左右どちらか片方にだけ痛みが起こり、続いて帯状に小さな赤い水ぶくれが現れて増殖していく─このような症状が出たら、帯状疱疹(ほうしん)という病気の可能性を疑おう。原因は、多くの人が子供の頃にかかった水痘(水ぼうそう)ウイルス。いったん体内に入ったウイルスは長い間、神経の根元に潜んでおり、病気や過労、ストレスなどで免疫力が下がったときに、再び暴れ出すのが帯状疱疹だ。一度かかったら二度とかからないのが定説だったが、高齢化などの影響により、数回繰り返す例も増えてきているという。

早期治療が肝心

 皮膚の症状よりも先に神経の痛みから始まるため、頭痛や歯痛、四十肩、腰痛、湿疹などと勘違いされることも少なくない。

 ヘルペスの病気に詳しい東邦大学医学部(東京都)皮膚科の漆畑修客員教授(宇野皮膚科医院=東京都=院長)は「帯状疱疹を見慣れているはずの皮膚科医でも、皮膚症状がはっきり出ないと見逃すケースもありますが、痛みとともに左右どちらかにアロディニアという知覚異常があれば診断が付きます」と話す。アロディニアとは、神経が侵されたために、軽く触れる刺激で痛みを感じる状態だ。

 帯状疱疹だと分かったら、すぐに抗ウイルス薬を服用して治療することが後遺症を残さないための重要なポイント。重症の場合は、入院して抗生物質や痛み止めを点滴する。

帯状疱疹後神経痛が問題

 帯状の皮膚の湿疹は、3週間ほどで徐々に消えていくが、高齢者や極端に免疫力が低下している人、あるいは適切に治療されなかった場合には、皮膚の症状が消えても、神経の痛みだけが残ることがある。これは帯状疱疹後神経痛(PHN)という後遺症で、つらい痛みが数週間から数年以上も続く場合がある。

 PHNの痛みは治りにくいが、近年になって数種類の有効な治療薬が登場し、痛みが軽減できるようになってきたのは朗報だろう。さらに、水ぼうそうのワクチンを接種することで、帯状疱疹を予防することも可能だ。

 帯状疱疹とPHNについて詳しく知りたい場合は、漆客員教授の著書「痛みを残さない帯状疱疹、再発させない単純ヘルペス」(メディカルトリビューン刊)を一読されたい。最新情報が分かりやすく説明されている。

(編集部)

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