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認知症患者の抗精神病薬服用で心筋梗塞リスク上昇

 2012年04月09日 10:36

 カナダ・モントリール大学薬学部のAntoine Pariente氏らは、認知症治療薬「コリンエステラーゼ阻害薬」で治療中の高齢患者が抗精神病薬を服用すると、30日以内に急性心筋梗塞の発症リスクが高まることを明らかにし、3月26日付の米医学誌「Archives of Internal Medicine(電子版)に発表した。

31日以降ではリスク上昇せず

 対象は、2000~09年にカナダ・ケベック州の処方データベースに登録されたコリンエステラーゼ阻害薬を使用中の3万7,138人(66歳以上)のうち、抗精神病薬が処方されていた1万969人。抗精神病薬の内訳は、97.8%が非定型薬(リスペリドン64.5%、クエチアピン21.6%、オランザピン11.7%)、2.2%が定型薬(プロクロルペラジン1.9%、クロルプロマジン0.3%)で、抗精神病薬を処方されていない1万969人と比較した。

 抗精神病薬処方群の急性心筋梗塞発症数は処方開始から1年以内で138人(1.3%)で、非処方群では126人(1.2%)。処方群の急性心筋梗塞リスクを処方開始からの期間別に検討したところ、30日以内は非処方群よりも2.19倍高いことが分かった。しかし、60日以内、90日以内、1年以内の処方については、いずれもリスク上昇は見られなかったという。

 さらに、処方群の中で新規に抗精神病薬を処方された人のうち、平均追跡期間中央値47カ月間に急性心筋梗塞を発症した804人を評価した結果、処方30日以内の急性心筋梗塞リスクは1.78倍、31~60日では1.67倍だった。一方、61~365日は差が認められなかった。

 Pariente氏らは、対象となった集団は代表的な高齢患者の集団であり、今回の結果を一般に反映すべきだとしている。

(編集部)

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