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何度も確認しないと気が済まない―若者に多い強迫神経症

 2012年04月18日 16:18

 強迫神経症は、分かっているのに心配や不安が募って何回も同じことをしないと気が済まない病気だ。行動が極端になると生活にも支障が出る。症状に気付いたら、早めに精神科の専門医に相談した方がよい。

神経伝達物質に異常か

 強迫神経症の多くは、思春期から青年期にかけて発症する。「自分でもそこまでしなくてもよいと思うものの、そうしないと不安で、何度も同じことを考えたり、確認したりします」と、北里大学東病院(神奈川県)の宮岡等副院長(精神神経科)は説明する。

 原因はよく分かっていないが、脳の中にある神経伝達物質のセロトニンに異常があるという説もある。「セロトニンの働きを強めるとされ、うつ病治療に使われる「SSRI」(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を服用すると、個人差はあるものの強迫症状が薄れ、苦痛が和らぐことが多いのです」(同副院長)

他の病気でも似た症状

 ほかには行動療法があり、薬と併用することもある。例えば、何度も手を洗わないと気が済まない人の場合、一定の期間は全く手を洗わせない。そうして、洗わずにいても何も不都合なことが起きないことに気付かせていく。ただ、この療法は経験を積んだ専門医による指導が不可欠だ。

 しかし、何回も確認する症状が見られるからといっても、強迫神経症とは限らない。意味のないことを繰り返しているという自覚が本人にない場合は、総合失調症の可能性もある。このほか、うつ病などで同様の症状が表れることもある。宮岡副院長は「独りで悩まないで、精神科医がいる医療機関で適切な治療を受けてください」と話している。

(編集部)

2008年5月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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