運動するほど子供の学業成績が向上―オランダ研究
2012年04月23日 13:51
オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのAmika Singh氏らは、これまで行われてきた研究の評価を行い、「子供の身体活動(運動)の度合いが高いほど、学業成績も向上することが分かった」と、米医学誌「Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine」(2012; 166: 49-55)に発表した。
質の高い研究での検証が必要
Singh氏らは、テストの点数を上げなければならないというプレッシャーにより、教室内での授業時間が増加して運動時間が減少しているのではないかとの懸念から、身体活動と学業成績の関係を示す研究結果について分析した。
対象となった研究は、米国の12件、カナダの1件、南アフリカの1件の計14件。各研究の対象者数は53~約1万2,000人(6~18歳)で、8週間~5年以上にわたって追跡されていた。
その結果、「最良の研究結果を統合すると、身体活動量が増加すると学業成績が向上し、逆に活動量が下がると成績も低下することを示す強力なエビデンス(根拠となる研究結果)が得られた」(Singh氏ら)。特に、質の高い2件の結果から、子供の身体活動量の上昇は、学業成績の向上と明らかに関連していることが示されたという。
その一方で、Singh氏らは「両者の関連性を正確に評価するため、信頼性の高い測定方法を使った質の高い研究を行い、身体活動と学業成績の関係とその仕組みを明らかにすべき」と、さらなる検証の必要性を訴えている。
(編集部)