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18歳の約4人に1人が医療用麻薬の使用経験あり―米国

 2012年05月09日 10:29

 米・女性・ジェンダー研究所のSean Esteban McCabe氏らは、高校生を対象に医療用麻薬(処方オピオイド)の使用経験を調査した結果、全米の18歳のおよそ4人に1人に当たる22.3%が使用した経験があるという推定結果が示されたと、5月7日付の米医学誌「Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine」(電子版)に発表した。最近、米国では若年者の医療用麻薬の中毒例が激増、社会問題となっている(関連記事)。全米規模で高校生の医療用麻薬使用経験を検討したのは、今回が初めてだという。

医療目的の使用経験は17.6%

 医療用麻薬は適正な使用により、急性あるいは慢性的な痛みに強力な効果を発揮する。米国では、2000年頃から親知らずを抜いた後の鎮痛などにも用いられており、若年者への処方機会は現在、1994年の約2倍にまで増えているとのデータもあるようだ。それに伴い医療外目的の医療用麻薬使用率も上昇し、それによる21歳未満の若者の救急外来受診は4年間で2倍に増加しているという。

 McCabe氏らは、全米の薬物使用と健康に関する調査を実施し、2008~09年の春に18歳の生徒を対象とした自己記入式のアンケートで得られた7,374人分の回答を解析した。

 その結果、18歳の高校生のおよそ17.6%が医療目的の医療用麻薬を使用したことがあることが明らかになった。一方、医療外目的使用の割合は12.9%、医療目的か否かを問わない場合、22.3%の使用経験があると推定された。

白人で高い使用経験

 医療目的か否かを問わず、使用経験の割合に男女の差はほとんどなかったが、人種別の検討から、白人は黒人またはヒスパニックに比べ「使用経験なし」が低く、医療目的あるいは医療外目的での使用経験があった人の割合は高い傾向が確認された。

 医療外目的で使用した人の多くが、それ以前に医療目的の医療用麻薬を使用した経験があった。また、医療目的のみの使用経験ありの人に比べ、アルコールや薬物など物質使用のリスクが増大していたという。

 McCabe氏らは「米国の18歳の高校生のおよそ4人に1人が医療目的か否かにかかわらず、医療用麻薬の使用経験があった」と結論。若年者に処方された医療用麻薬の量や数を十分考慮した上で、後の医療外目的使用への移行を減らすため注意深く観察すべきと考察している。

(編集部)

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