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歯ぎしりの原因は?

 2012年05月29日 12:01

歯ぎしりの原因を教えてください。

(20代 男性)

さまざまな因子が関与しています。

 「特定疾患」「性格」「ストレス」「遺伝」「服薬」「飲酒」「喫煙」などさまざまな因子が関与しています。このような疾患は多因子性疾患と呼ばれています。

 個人によってこれら因子の関与の度合いが異なります。

 たとえば、ストレス因子が強いときには、日中にストレスを感じると夜に歯ぎしりをする傾向があり、一方で、両親や兄弟が歯ぎしりをして、ご自身も子どもの頃から指摘されている方は、遺伝因子が強いと考えられます。

 最新の遺伝子解析研究によると、特定の遺伝子多型(DNA配列の多様性)を持った方が歯ぎしりをする可能性が高いことが明らかになりました。
また、飲酒や喫煙などの嗜好(しこう)品摂取によっても歯ぎしりを引き起こす可能性が高くなることも報告されています。

 睡眠生理学の研究によると、歯ぎしりは眠りが浅いとき(睡眠段階1~2、深い睡眠は睡眠段階4)に起こることがわかっています。お酒を飲むと眠くはなるものの、睡眠が浅くなり、歯ぎしりが起こるとも考えられます。

 睡眠時無呼吸症候群も眠りが浅くなるため、無呼吸状態のあとに歯ぎしりが高い頻度で起こることも報告されています。

 胸やけやむかつきを主訴とする逆流性食道炎と歯ぎしりの関連性も報告されています。
逆流性食道炎は、胃酸が胃から食道へと逆流することにより、食道粘膜を刺激し粘膜にびらん(粘膜のただれ)や炎症を引き起こす疾患です。

 歯ぎしりのあとには唾液を飲み込む傾向がありますが、唾液には酸に対する緩衝作用(かんしょうさよう=一定の状態に保つ働き)があるため、歯ぎしりが間接的に食道炎症状の軽減に役立っているのかもしれません。逆流性食道炎の治療を行うことで歯ぎしりが減ったとの報告もあり、近年、両者の関係は多くの注目を集めています。

 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる抗うつ薬を服用すると、歯ぎしりが多くなることもあります。米国では12歳以上の10人に1人が抗うつ薬を使用しており、わが国でも服用者が増加傾向にあるので注意が必要です。

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