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1歳までに犬と接触した子供は風邪ひきにくい?

 2012年07月11日 13:22

 フィンランド・クオピオ大学病院のEija Bergroth氏らは、生後1歳までに犬との接触があった幼児は、接触のなかった場合に比べ、上気道感染症(風邪)や中耳炎になるリスクが減っていたことを、7月9日付の米医学誌「Pediatrics」(電子版)に報告した。

犬との接触で中耳炎リスク44%低下

 乳児が風邪や肺炎などの呼吸器感染症にかかる恐れのある要素として、保育所に通っている、兄姉がいる、母乳育児でない、両親のぜんそくや喫煙などが挙げられる。ペットについては、幼少期に犬と接触することが風邪をひく回数の減少に関連するとの報告がある一方、ペットを飼うことが子供の呼吸器感染症の増加につながるとの報告もあるという。なお、妊娠中にペットを飼うとアレルギーリスクが低下するという研究結果も発表されている(関連記事)。

 Bergroth氏らは、幼少期に呼吸器感染症にかかると、その後にぜんそくなどの慢性呼吸器疾患になる可能性があることから、危険因子の特定は重要と指摘している。

 今回の検討は、欧州5カ国が参加する妊娠初期の女性を対象とした研究の一部で、胎児期からの追跡が行われている。2002年9月~05年5月にフィンランドで出生した幼児397人について、1歳までの犬または猫との接触状況と健康状態を、日記形式のアンケート票で調査した。

 家庭で犬との接触があった幼児は、全くない場合に比べて「健康な状態」の割合が1.31倍高く、呼吸器症状あるいはまたは呼吸器感染症の頻度が少なかった。また、中耳炎の頻度は約半分に減少していた(44%減)。一方、猫では接触によるリスクの減少が認められなかった。

 今回の結果についてBergroth氏らは、生後1年間で犬と接触することによって、呼吸器感染症から保護される作用が示唆されたと結論。さらに、猫についても犬よりは弱いものの、保護的作用が期待できるとの見解を示している。

(編集部)

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