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機内で起こる航空性中耳炎、気圧の変化で痛みや違和感

 2012年07月12日 09:42

 飛行機を利用すると起きる航空性中耳炎。特に風邪をひいていたり、アレルギー性鼻炎などがあったりする場合は注意が必要だ。予防法などを、東京厚生年金病院耳鼻咽喉科の石井正則部長に聞いた。

下降時に多い

 飛行機に乗ると、離着陸の際に耳の痛みや違和感を覚える人が多いが、これは気圧の変化が原因。

 「特に下降時は、機内の気圧が上昇して鼓膜が圧迫されて痛みや違和感を持つのです。軽い場合はつばを飲み込んだり、あくびをしたりすると鼻につながっている耳管が開いて改善します。ところが、風邪やアレルギー性鼻炎などの病気があると、いくらつばを飲み込んでも耳管が開かないで中耳に炎症が生じます。これが航空性中耳炎です」(石井部長)

 症状は耳が詰まった感じと痛みだが、ひどくなると中耳に体液が染み出てたまり、聞こえが悪くなる。

 「飛行機を降りてから半日も症状が続く場合は、この病気を疑って耳鼻咽喉科を受診すべきです。その際、飛行機に乗ったことを医師に告げることが大切です」(石井部長)

点鼻薬で予防も

 診断では耳鏡で鼓膜を見る。治療には消炎鎮痛薬のほか、2次感染の予防のため抗生物質が用いられるが、やはり予防が第一だ。

 「風邪やアレルギー性鼻炎があって飛行機を利用する場合は、血管収縮作用のある点鼻薬を搭乗する直前に噴霧すると予防効果があります。ただし、効果の持続時間は3時間ほどなので、それ以上乗るケースでは搭乗直前と飛行機が下降態勢に入ったときに点鼻する必要があります」(石井部長)

 点鼻の仕方は、まず顎を上げて噴霧する方の鼻の穴側を下にする。そうしないと、耳管の出入り口に薬が届かない。

 「薬が鼻からのどに落ちる意識を持って、点鼻するとよいでしょう。こうしたケアをしても機内で発症したときには、小さな使い捨てカイロをハンカチなどで包んで耳たぶの後ろの首筋に当てると、その部分の空気が膨らんで気圧差が軽減します」と石井部長はアドバイスしている。

(編集部)

2009年8月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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