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口の端に発疹できる口角炎、ビタミン補充を

 2012年08月08日 09:42

 口角炎は口の端の片側か両側に赤い発疹(ほっしん)やただれ、かさぶたなどができて口を開けると出血することがある。口が乾くドライマウスやビタミン不足によってカンジダ菌が増殖して発症する。早めに歯科または口腔(こうくう)外科を受診し、適切な治療を受けるとよい。

原因菌はさまざま

 「口角炎の原因のうち大人で一番多いのはカンジダ菌で、子供はブドウ球菌です」と、慶応義塾大学医学部(東京都)歯科口腔外科の永井哲夫講師は説明する。

 カンジダ菌は人の口の中にすみ着いている菌。健康であれば増えることはないが、ビタミンB2不足や唾液の分泌が悪くなって口の中が乾くドライマウスになると、カンジダ菌が増え、口角炎の引き金になる。

 ドライマウスを主症状とする病気にシェーグレン症候群がある(関連記事)。体内のリンパ球が唾液腺や涙腺を敵と見なして攻撃する自己免疫疾患で、そこが破壊されるため唾液や涙の分泌が減る。目が乾くドライアイも起こる。

 口角炎の背景にはほかにも、アトピー性皮膚炎や貧血、糖尿病、抗生物質や抗アレルギー薬の長期服用などがある。

対症療法が主に

 治療では、まずこれらの病気の有無を検査、診断する必要があるが、主な治療は対症療法になる。ビタミン不足には複合ビタミン剤を服用。口の乾きにはスプレーで人工唾液を噴霧したり、唾液腺や涙腺を刺激する内服薬などを投与したりする。口の中に保湿剤を塗ることもある。

 また、義歯の高さが合わずにかみ合わせが悪い状態が続くと症状が出ることもある。かみ合わせの良い義歯に交換すると同時に、食事の後は義歯をきれいにする、うがいなどで口の中を清潔に保つよう心掛けたい。

 「口角炎の診断は慎重に、そして治療は適切に行われなければなりません。きちんと細菌検査を受けた後に、原因となっている細菌に適合した薬を処方してもらってください」と、永井講師は話している。

(編集部)

2010年8月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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