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職場や家庭でのストレスで腰痛に、症状強い心因性腰痛

 2012年08月29日 09:42

 ストレスなどが原因になる腰痛がある。心因性腰痛は原因となる病気がないため気のせいにされ、幾つかの病院を転々と受診する人もいるという。まず、こういう病気があることを理解するのが治療の一歩になる。

内臓疾患の検査を

 心因性腰痛は整形外科や内科領域でこれといった原因疾患がないのに、慢性的な腰痛が起こる病気。

 順天堂大学医学部(東京都)整形外科・スポーツ診療科の池田浩・先任准教授は「レントゲンや磁気共鳴画像診断装置(MRI)などの検査で異常はないのですが、本人の自覚症状は強いのです。それも1カ所でなく、痛む所が変わることもあります。また、同じ動作で痛みが生じたり生じなかったりする上、時間によって痛みの反応が異なります」と説明する。

 加えて睡眠障害やうつ状態、不安感を伴うケースが多い。原因で多いのは職場や家族との人間関係のストレスだ。

 「腰痛で整形外科を受診して異常が見つからない場合は、尿路結石、大動脈瘤(りゅう)や膵炎(すいえん)など内臓の病気でも腰痛を伴うので、内科で原因疾患がないか調べてもらうべきです」(池田先任准教授)

心理テスト受けて

 内科でも原因疾患が認められなければ心因性腰痛が疑われるので、心理テストを受けるとよい。

 「心理テストを受けるのであれば、メンタルクリニックで相談するとよいでしょう。心因性の可能性が強いとなれば、メンタルクリニックの専門医によって心理療法や抗うつ薬などによる治療が行われます」(池田先任准教授)

 こうした治療で効果が上がれば、心因性腰痛であることも判明する。日常生活では、原因と考えられるストレスの解消に努めることだ。

 池田先任准教授は「職場での人間関係がうまくいっていないのなら、配置換えをしてもらうのも一つの方法です。家族の人もこうした腰痛があることを理解してストレスの軽減に協力してあげるように」と助言している。

(編集部)

2010年5月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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